《雑品を輸出したツケ(★注)》
【12月18日:今朝の状況】
※為替(ドル/円)ドル=153円48銭【08:00現在】
※N.Y.ダウ:43,449.90 (-267.58)
※銅LMEセツルメント($/t)
①午前売:8851.5(-80.5)
②午後売:ー
※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
③銅:4.0915(-0.052)
④金:2644.4(-7)
※WTI 原油先物($/bbl)
⑤70.08(-0.63)
※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
①ロンドン午前:1410円
②ロンドン午後:ー
③N.Y. :1430円
※ニューヨーク為替引値(円)
153.48-153.51(0.67円高-0.66円高)
【12月17日:昨日の状況】
※国内銅建値1420円(12月13日より-10円)
《雑品を輸出したツケ(★注)》
※2000年代の日本は、鉄でも非鉄でも金属スクラップは、
とにかく中国輸出でした。
※日本国内の金属スクラップ業者は、人件費が高い日本
で切断・解体・加工・選別(以下まとめて「加工」)をす
ればするほど人件費分がマイナスで、何にもしないで人
件費が安い中国に輸出した方が、商売上のプラスが大き
い。まあ、はっきり言えば儲かったわけです。
※人件費の高い日本で加工することは馬鹿馬鹿しく、人
件費の安い上、何の文句も言わず荷物を高値で買ってく
れる中国に、いかに、輸送コストをかけずに出すか?が
商売のキモでした。
※1990年代後半に、当初、少しづつコンテナで輸出され
ていた中国向け金属スクラップ輸出は、2000年前後から、
バルク船による大掛かりな輸出に主たる輸送方法が移行
し、2000年代中旬には、“なんでもかんでもバルク船に
積めばいい“というルールに、完全にゲームチェンジされ
た時期でした。
※それ以前の日本では、鉄スクラップに、鉄以外の物が
付いていれば、それが銅であれアルミであれ、鉄にロス
が付いているという考え方で、取引価格面でマイナスで
した。
〈before〉
鉄○○円/kg △ 非鉄金属○○円/kg
= 雑品価格○○円/kg (鉄マイナス非鉄)
ところがその後、バルク船による中国輸出が本格化する
と
〈after〉
鉄○○円/kg + 非鉄価格○○円/kg
= 雑品価格○○円/kg (鉄プラス非鉄)
※日本国内でこのゲームチェンジに早めに気づいた会社
は、一気に業績を伸ばし大きくなり、それまでのやり方
にこだわった会社は業績が低迷しました。
※当時、そうした状況を見た、鉄・非鉄スクラップ業界
の老舗・重鎮方々は、最近、日本のスクラップ業者は
「加工」ノウハウがなく、ただ単に右から左へ荷物を動
かすだけだと嘆いておられた。
※ 鉄・非鉄スクラップ業界の老舗・重鎮方々が心配され
た通り、2000年〜2020年の20年間(厳密には2018年末
まで)、雑品を「加工」してこなかった日本には、雑品
の「加工」ノウハウが減り、雑品を「加工」しまくった
中国にはノウハウが蓄積されました。
※中国が雑品の輸入を禁止した2018年末以後、台州・
寧波で「加工」をしまくっていた中国人業者が、日本に
乗り込んできたので(黒船が来航したので)、現在の日
本は、中国系の業者にやられまくっているということで
す。
補足:
現在は、日本の金属スクラップ業者が「加工」してこな
かったからそのツケ(代償)を払っていて、因果応報、
自業自得だと言っているわけではありません。小生が申
し上げたいのは、金属スクラップ業は、その時代・時代
により、phase(段階)があり、「その時代に合わせて
ベストを尽くすしかない!」と言っています。老舗・重
鎮が言うことは常に昔の「古き良き日本」で、そんな話
を何百回聞いてもクソの役にも立たないと言っておりま
す。
老兵は死なず、ただ去り行くのみ
Old soldier never die,They just fade away.
(★注)「ツケ」
「ツケ」とは、飲食などの会計を払わずに、店から「借
りる」形にしておいて、後から払うと言う商習慣のこと。
(居酒屋用語辞典)
以上